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瀬戸内国際芸術祭の島に、鬼がいる。【鬼ヶ島展望台編】

鬼ヶ島展望台のイラスト
この記事には、ちょっとだけ“おすすめしたいもの”がまぎれこんでいます。

洞窟を出て、風の音が変わった。

洞窟を出ると、空気の匂いが変わった。

湿った風の中に、光の気配がまざっている。
足もとには、しっとりとした岩の感触だけが残っていた。

見上げると、柱状節理という岩が空に伸びていた。
なんだか鬼が削ったあとみたいにも見える。
静かで、少しだけざらついた風が、頬をかすめていった。

洞窟出口と柱状節理洞窟を出ると、世界がまた呼吸をはじめた。
見上げると、鬼が削ったような岩肌が、空へと積み上がっていた。

鬼が見送る、登り口。

洞窟を出てすぐのところに、小さな鬼が立っていた。

腕を組んで、ちょっと得意げな顔をしている。
展望台への登り坂はこれから。
鬼は、見送るように黙って立っていた。

展望台と帰り道の案内鬼洞窟を出てすぐのところに、小さな鬼が立っていた。
まだ薄暗い森の入り口で、次の冒険の扉を見張っているようだ。

坂道のむこうに、海の気配。

少し歩くと、道が細くなった。

道のほうにも、手すりの向こうにも草が伸びていて、雨のしずくがまだ残っている。
足もとには、大きめの石がごろごろと転がっていた。
風の音が、さっきよりも少し高くなっていく。
山の匂いと、海の匂いがまざっていた。

鬼ヶ島展望台への坂展望台へ続く道。
雨のあと、石がところどころ転がっていた。
足もとに気をつけながら、ただ静かに登っていく。

坂を登りきるころ、看板が見えてきた。

坂を登りきるころには、少し息があがっていた。

思っていたよりも道のりが長くて、
雨上がりの湿気が、背中にゆっくりまとわりつく。

展望台付近に到着。看板が見えた。
「女木島の地形・地質について」と書かれた文字が目に入った。
玄武岩や花崗岩のことが書かれていて、
島の奥に流れる時間の深さを感じる。

展望台付近の看板展望台の手前にある地質の案内板。
雨上がりの光を受けて、 「玄武岩」と 「花崗岩」の文字が静かに浮かび上がっていた。

展望台のまわりは、少し荒れていた。

展望台のまわりは、少し荒れていた。
草が道を覆っていて、手入れがされていないのが唯一残念だなと思う。

こんなにいい場所なのに、人は少なかった。
でも、その静けさが、この島らしさなのかもしれない。

風が吹くたびに、木の葉が小さく鳴った。
それがこの島の“拍手”みたいに聞こえた。

草に埋もれた桃太郎。

展望台のあたりに、草に埋もれた桃太郎がいた。

静かに時を重ねた看板だけれど、
風の中で、まだ少しだけ誇らしそうに立っていた。

昔はきっと、子どもたちがここで記念写真を撮ったのだろう。
いまは風だけが、話し相手だ。

鬼ヶ島展望台付近の桃太郎...展望台の上には、草に埋もれた桃太郎がいた。
風だけが元気で、誰よりもよくしゃべっていた。

苔の石畳が、島の記憶を残していた。

展望台へ向かう途中、ふと足もとを見た。
苔のはえた石畳が、うすく残っている。

人の手で作られた道を、いまは草がやさしく引き継いでいる。

鬼も桃太郎もいなくなったあと、
この島だけが、静かに息をしていた。

鬼ヶ島展望台付近石畳の道。
きっと、むかしはここを多くの人が登った。
いまは草のほうが、道をよく覚えている。

風の音が、ひとつ変わった。

展望台に着くと、空気の流れが変わった。

木でできた手すりが、しっとりと濡れている。
風が通り抜けるたび、雲のかたちが少しずつ変わっていった。

鬼ヶ島展望台鬼ヶ島展望台。
雨の名残をまとった木の手すり。
風の中に、海と町の気配がまざっていた。

眼下には、瀬戸の海。
その向こうに、高松の町がうっすらと見える。
サンポート高松やあなぶきアリーナも、かすんだ空の下で静かに並んでいた。

鬼たちが見ていた景色も、きっとこんな風だったのだろう。
人の暮らしと、海のきらめき。
そのあいだを、やわらかな風が渡っていく。

鬼ヶ島展望台から高松駅付近を眺める展望台から見た高松の町。
鬼の島から見ると、人の暮らしがひとつの灯のように見えた。

鬼のいない島で、風だけが語る。

展望台のまわりには、誰もいなかった。

ただ風が、少し強く吹いている。
その音が、「ここまでよく来たな」と言っているように聞こえた。

鬼も桃太郎も、もういない。
けれど、この島の静けさの中には、確かに彼らの物語の余韻が残っている。

しばらく何も考えずに、ただ立っていた。
風が頬をなで、雲がゆっくりと流れていく。
“鬼ヶ島”という名前の向こう側に、たしかに“女木島”という今があった。

海と風が、やさしく混ざっていく。

見下ろすと、瀬戸内の島々が浮かんでいた。

遠くの島も、近くの波も、ひとつの呼吸でつながっているようだった。
風の道が、海の上に見える気がした。

この景色の中では、時間がとてもゆっくり流れていく。
さっきまでの坂道も、洞窟の暗がりも、すべてがこの風の中で、ひとつの物語になっていく。

つづく。

鬼ヶ島展望台からの眺め鬼ヶ島展望台から見た瀬戸内海。
島々が浮かんで、風の道が見えるようだった。
鬼ヶ島大洞窟の入口方面へ続く帰り道。展望台からの坂を下りると、森のあいだから光が差しこみ、雨上がりの匂いがふたたび混ざりはじめる。
島の“現実”に少しずつ戻っていくような道。

よくある質問(FAQ)

Q. 鬼ヶ島展望台までは、どのくらい歩きますか?

洞窟の出口から展望台までは徒歩でおよそ10〜15分。距離は数百メートルですが勾配があり、雨上がりは滑りやすいのでゆっくり進むのがおすすめです。

Q. 展望台からは何が見えますか?

高松駅周辺やサンポート高松、あなぶきアリーナ、屋島、五色台、瀬戸内の島々(天候次第で小豆島方面まで)を一望できます。

Q. 展望台デッキに座れる場所はありますか?

デッキ自体にベンチ等はありません。付近に屋外の椅子とテーブルがありますが、草に覆われ荒れていることがあり、休憩には不向きな場合があります。

Q. 足もとや整備状況はどうですか?

道沿いの草が伸びていたり、石が散らばっている区間があります。雨天・雨上がりは滑りやすいので、歩きやすい靴で。手すりのある細い道もあるため、すれ違い時はご注意を。

👹 なんとなく鬼ヶ島のものを。

👹 こんなのもあってね。うん、あるんです。


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【合同会社桔梗企画:代表】 家族の中心にいるのは、アビシニアンの“アビ蔵”。 そのアビ蔵の『たそがれタイム』に、そっと寄り添う妻。 そして、ぼく。三人暮らし、みたいなものです。 今日もなんとなく、いい日を過ごしています。 書いているのは、猫のことだったり、 ちょっといい物のことだったり、 気がつけばおいしいものの話だったり。 なんの役にも立たない日もあります。 でも、「なんか、好きだな」って思えることを、 すこしずつ集めて、生きてるような気がしています。 最近、「nufufu.com」のドメインを取得しました。 以前までの「ぬふふ.com」の人とは別人です。
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