玉藻公園に行った日のことを、少しだけ。
その朝、妻が「一眼レフを持ってどこかへいきたい」と言った。
最近カメラを始めたばかりで、今日はその練習をしたいんだそうだ。
だったら、玉藻公園あたりで練習してみたら? そう提案したのは、ぼくだった。
海が近くて、石垣があって、光がきれいな場所だから。
※この記事の写真は、すべてぼくがスマホで撮影したものです。妻のカメラで撮影したものではありません。
光の向きで、門の表情がすこし優しく見えた瞬間。Contents
秋の色が、きれいに並んでいた。
入口を抜けて歩いていくと、まず「WELCOME」の花文字が出迎えてくれた。
公園の空気が、そこから急にあたたかくなる。
花でつくった“ようこそ”。やさしい入口だった。 その少し先には、“70”と描かれた大きな花の飾り。
近くで見ると、一輪一輪がちゃんと主役だった。
節目の“70”が、秋空にしっくり映えていた。 奥へ進むと、菊がまっすぐ並んでいた。
色も形も違うのに、みんな落ち着いた顔をしていて、しずかな秋がそこにあった。
並んだ花が、静かな秋をつくっていた。堀と天守台と、上から見た景色のこと
あの堀の前に立つと、いつも少しだけ時間がゆっくりになる。
水の上に、松の枝が影を落としていて、
風が来るたびに、その影がそよそよ揺れる。
なんということもない光景なんだけれど、
ぼくはこういう“変わらないもの”を見るのが好きだ。
水の色が、その日の空気をそのまま映していた。 天守台へ向かう石段は、
ちょっとした登山みたいに見えるけれど、
上まで行くと、ちゃんとごほうびが待っている。
石垣の向こうに見えるひらけた空が、
すこしだけ、ぼくたちを歓迎してくれているように見えた。
石段を上がるときだけは、すこし背すじが伸びる。 天守台の上から見た景色は、
いまの街と、昔の石垣が、不思議と仲よく並んでいて。
遠くのビルの光と、堀のやわらかな緑色が、
ひとつの絵みたいにまとまっていた。
妻は夢中でシャッターを切っていて、
ぼくはそれを横でただ見ていた。
なんだか、それだけで十分だった。
空と街と、昔の石垣がいっしょに並んでいた。堀の魚、小舟、そして庭の静けさ。
堀をのぞくと、魚が、ゆっくり群れになって泳いでいた。
この魚は真鯛らしい。餌をあげることもできるそうだ。
水の上には小舟がひとつ浮かんでいて、
陽の光が揺れながら、そのまわりを照らしていた。
この舟に乗る体験もあるらしくて、
時間があれば乗ってみたかったな、と思う。
水の下で、魚たちがゆっくり影になっていた。奥へ進むと、白い石橋があった。
松の枝が重なり、やわらかな影をつくっている。
松の影が、石橋の上にやわらかく重なっていた。披雲閣の前まで行ったけれど、
今日は貸し切りのため、中には入れなかった。
そのかわり、庭の静けさだけが迎えてくれた。
手入れの行き届いた松と、静かに佇む披雲閣。(この日は貸し切りで中には入れず、入口からそっと眺めるだけ。)さらに歩くと、桜御門が見えてきた。
門の木組みが陽に照らされてあたたかく、
「ゆっくりしていきなよ」と言われているようで、
思わず足が止まった。
立派な桜御門。新しい木の香りが、まだ少し残っていた。月見櫓の中で、風と海を感じる。
月見櫓(つきみやぐら)は、毎週日曜日の9時から15時までだけ公開されている場所。
中に入ると、木の香りがまだ少し残っていて、古い建物ならではの空気が静かに流れていた。
白い壁と瓦屋根が重なり、小さな櫓が空にすっと伸びていた。
月見櫓の特別公開を知らせる看板。日曜だけ開く小さな入口。内部は思っていたより狭くて、急な階段が続いている。
上り下りには少し注意が必要だけれど、その分だけ、昔の人たちの気配を近くに感じられる。
昔のままの急な階段。手すりを握ってそろりそろりと。
太い柱と、少しきしむ床板。昔の空気がそのまま残っていた。ここで月を見上げた人たちがいた……わけではなくて、
本当は、海から来る船をじっと見張っていた場所だったらしい。
櫓の窓からのぞく瀬戸内の海は、思わず息をのむほどきれいで、
強めの浜風が、すっと頬を冷やしていった。
櫓の窓から見える青い瀬戸内。風まで澄んでいるようだった。いま目の前に広がる景色は、穏やかで、ひらけていて。
けれど、かつてはここで、遠くに見える小さな船影を探していたのだと思うと、
時の流れの大きさを感じずにはいられなかった。
最後にくぐった門は、“水手御門”という場所。
かつて藩主はこの門から舟に乗り、参勤交代へ向かったという。
風の音と足音だけが残るその空間に、静かな歴史の気配が漂っていた。
かつて藩主が船で旅立った門。水面に歴史がちらりと残っている。お昼ご飯にしようか?、と声をかけた午後。
玉藻公園をひとまわりして、そろそろお腹がすいてきたころ。
「そろそろお昼ご飯にしようか?」と妻に声をかけると、うんと頷く。
なんとなく、今日はカレーの口だったので、迷いもなく
サンポート高松にある〈カリガリ 高松店〉へ向かう。
かしわ天がごろんとのったカレーは、スパイスがじんわり効いていて、
歩き疲れた足にやさしく染みわたった。
こういう“ひと皿のごほうび”、いいよなぁと思う。
サクッと揚がったかしわ天と、スパイス香るルウ。歩いたあとの身体にしみる一皿。食後は、海沿いをゆっくり散歩する。
陽ざしのなかを、風だけがすっと通り抜けていく。
妻は何枚も写真を撮っていて、
「いいのが撮れたかも」と、少し嬉しそうだった。
そんな午後の海は、どこまでも機嫌がよくて。
その機嫌のよさに、ぼくらもすこし乗っかって歩いた。
青がどこまでも続く午後。妻が何度もシャッターを切っていた海沿い。🍛
食べることと歩くこと。
そのふたつが揃うだけで、旅の午後はゆっくりほどけていきます。
📍 玉藻公園へのアクセス
🍛 カリガリ高松店へのアクセス
よくある質問(Q&A)
かしわ天の衣がカレーにほどよく馴染んで、やさしい辛さに感じます。
海風が気持ちよく、写真を撮るのにも向いています。
観光の途中でそのまま港に出られるので、移動が楽でした。
島影がきれいに見えるので、写真が好きな人にもぴったりです。
✍ なんとなく玉藻公園のものを。
✍ こんなのもあってね。うん、あるんです。
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