その日、天気はふつうだったけど、この部屋の中だけ、ちょっと特別だった。
「ボリビア コパカバーナ農園」の豆を、ゆっくり、ゆっくり、手で回しながら焼いたのです。
最初は、静かだった。だけど、豆が「パチッ」と言い出してから、空気が変わった。
香ばしい匂いが部屋を満たして、まるでカフェの中にいるみたいだった。
フルシティローストくらいで火を止めて、深呼吸。
豆の声を聞きながら、ちょっと誇らしくなった午後でした。
Contents
使った豆と道具|ボリビア・コパカバーナ農園 × 手回し焙煎機「Baisen-e」
焙煎は、妻のおばあちゃんの家でやった。
自宅のマンションじゃ、煙も出るし音もあるし、ちょっと気をつかう。
その点、おばあちゃん家は田舎だから、のびのびできる。
換気扇を回して、コンロに火をつける。
それだけで、家の中が「焙煎の時間」に切り替わる。
音のない余白が、ゆっくりと広がっていく。
今回使ったのは、南米ボリビアの「コパカバーナ農園」の豆。
名前だけで景色が浮かびそうなくらい、のびやかな響き。

買ってから、たぶん一年。
でも今日、なんだか「焼いてよ」って言ってた気がしたんだ。
そして焙煎器具は、手回し式の焙煎機「Baisen-e」。
ガスコンロの上で、シャンシャンと、音を立てながら回していく。
ゆっくり、じっくり、豆と会話をするように。

最初はただの道具だったのに、いまは、ちょっと味のあるやつになった。
金属なのに、あたたかいんだよな。
※ちなみに、昔ながらの表記では「手廻し」と書かれていたりもします。
今回は、検索しやすいように「手回し焙煎機」と表記しています。ご容赦を。
この「Baisen-e」、構造がとてもシンプルで、分解も簡単。
8年間使ってきて、故障らしい故障は一度もありません。
そしてなにより、ドラムの内側に施されたセラミックコーティングのおかげで、
熱がしっかり豆に伝わり、ふっくらとした焼き上がりになるのがうれしいところです。
新品の頃よりも、いまのほうが、なんだか頼りがいがある気がする。
道具って、育つんだなぁと思ったりして。
※いまはもう、この「Baisen-e」は手に入らないみたいです。
でも、そのぶん、なんだか余計に愛着が湧くんですよね。ふしぎと。
焙煎のようす|パチッという音と香りが広がる時間
手回し焙煎機をくるくると回しているあいだ、スマホもテレビも、なんだか遠くに感じた。
火加減を見て、豆の色を見て、音を聞く。ひたすらに「見る・聞く・感じる」のくり返し。
そんなこと、最近あまりしてなかった気がする。
豆のハゼる音は、なんというか、思い出の引き出しをノックするみたいだった。
「おーい、昔のこと思い出してごらんよ」って、ちょっと笑いながら。
ふと、祖父の焚き火の匂いを思い出した。
それと同じくらい、あったかい気持ちになったのは、きっと焙煎のせいだ。

色とか、音とか、匂いとか。
まるで「なにかを思い出してる途中」みたいだった。
焼きたての豆の香りと、冷却後の保存方法
焼き上がった豆をザルにあけると、ふわっと立ちのぼる甘い煙。
あの瞬間の香りだけは、どんな高級なコーヒーショップでも味わえない気がする。
手で豆を撫でながら、「この子たち、うまく育ってくれよ」と、
少しだけ親バカみたいな気分になる。
冷却したあとは、紙袋に移して保存。
でも、がまんできずに、ひと粒だけミルで挽いてみた。
粉になったとたん、部屋に広がる「ボリビア コパカバーナ農園」の自己紹介。
ナッツのような、チョコレートのような、ちょっとだけスモーキーな挨拶だった。

「もういいよ」って、豆のほうから合図してくれた気がした。
一晩おいて味が変わる?焙煎豆の“静かな準備時間”
焼きたての豆は、まだ静かだ。
きっと、いろんなことを準備してる最中なんだと思う。
明日になったら、挽いて、お湯を注いで、
ようやく“言葉”になる。
でも今日は、この沈黙も悪くない。
手で焼いた豆が、キッチンの片隅で、
ゆっくりと深呼吸してる。
そんな午後でした。

豆がちゃんと自分になるまで、
あと、数日だけ待ってあげようと思う。
Q&A
- 自家焙煎って、初心者でもできる?
- はい。手回し焙煎機があれば家庭でも始められます。火加減や時間のコツは必要ですが、慣れれば道具との会話のような楽しさがあります。
- 焙煎した豆はすぐ飲めますか?
- すぐ飲むこともできますが、一晩〜数日おくとガスが抜けて風味が落ち着き、よりおいしく感じられることが多いです。
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