2022年8月1日決定という異例の時期に決まった最低賃金が31円の引き上げという内容。最低賃金を現在の平均額から31円上げるということだ。
報道
最低賃金31円の引き上げ、過去最大の増加幅 物価高受け異例の8月決着2022年8月1日 22時42分
２０２２年度最低賃金（最賃）の引き上げ額を巡り、中央最低賃金審議会（厚生労働相の諮問機関）の小委員会が１日午後、東京都内で開かれ、全国平均で時給９６１円とする目安をまとめた。現在の平均額から３１円の引き上げで、０２年度に現在の方式になってから最大の増加幅となった。物価高騰を背景に、引き上げ幅は３．３％。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/193033
最低賃金引き上げの背景
急激な物価高を重視して過去最大の引き上げということですがその理由について。
- 消費者物価指数
- 実質賃金を計算する時に用いる消費者物価指数が、前年同月比3%程度の上昇が続いている
- 雇用する側
- 使用者側も、経営が厳しくなっている。原材料やエネルギー(燃料・光熱費)などの価格が上昇している。
日本では長引くデフレと低成長非正規雇用の増加で、平均賃金はバブル崩壊後のおよそ30年間以上ほとんど変化がなかった。この為現在の日本人の購買意欲はアメリカの半分程度しかないとも言われている。
日本では長らく年功序列と終身雇用が定着しており現在でもこの仕組みは抜本的な解消は出来ていない。同一労働同一賃金なども掲げられているが実際にはそういった効果も年収面からは見受けられない。仕事がよりよく出来る優秀な人に多くの賃金を支払う仕組みも存在しておらず非正規雇用に落ちた人は一生低いままの傾向が強い。極端に言えば、正社員の半分程度の収入が非正規雇用の収入とも言われている。
海外の最低賃金
2022年7月時点
ドイツは1720円イギリスは1570円フランス1338円カナダ 1002~1400円
アメリカ全体(連邦全体)801円 アメリカのロサンゼルス市だとおよそ2180円の最低賃金※アメリカは国土が広く州が多すぎることと地域差がかなりあるため一律には考えにくい。家賃の相場もかなり高い所と安い所の差が極端すぎたりする。
最低賃金が高い事=素晴らしい事ではない。海外の最低賃金が高くとも失業率が高い国も多く存在している。解雇のハードルも欧米と比べても結構異なることに注意も必要。
海外と日本を比べると社会保障の内容も異なっておりアメリカのように健康保険が各自で加入していて入っていないとかなり高い場合と異なり日本では国民健康保険さえ加入していれば3割負担で済むなどの違いが大きい。※日本の皆保険制度が必ず共、効率が良いわけではない。例として高齢者にかかる医療費増など。
前回の選挙の最低賃金
前回2022年7月の選挙の時に掲げていた最低賃金について
- 1500円
- れいわ、共産、社民は、最低賃金1500円を掲げていた。立件民主党だけは将来的に1500円を目指すという内容。
- 間(あいだ)
- 国民民主党は、早期に全国どこでも1150円以上に。
- 自民。1000円近く
- 自民は全国で平均1000円以上に連立を組んでいる公明は、年率3%を目途にという目標だった。
最低 賃金1500円で足りるのか？ 2022年7月の選挙で「最低賃金1500円」を挙げている不思議
景気
相次ぐ各種値上げが家計への影響を感じると思っている人が過半数であること。
問題点は正規雇用と非正規雇用の賃金格差が大きいことが課題であり、非正規として雇用されている人たちの処遇改善につながるような最低賃金引き上げがないと生活改善は難しいい事。仮に最低賃金だけ政策で引き上げても、雇用者側にとっては人件費が跳ね上がる為、解雇されたり、就労時間減らされたりしたら最悪なことになる。
雑感
飲食店や宿泊業などはアルバイトなどの非正規雇用が多いので解雇が続くだろうな。コロナの影響も大きい業種ですし今後の見通しは暗いだろう。
コメント