【高松市・根っこの肉ぶっかけうどん】おいしいけど、また“いつもの”を頼んでしまった話。

うどん屋「根っこ」で、また“肉ぶっかけ＋おでん”を選んでしまう理由。

晴れた日の昼下がり。
ふらっと立ち寄ったのは、高松市にあるうどん屋さん「根っこ 三谷店」。
赤いベンチが並ぶ外観と、風にはためくのれん。
ああ、なんだか今日もうどんが食べたくなる風景だ。

でも、この日の主役は──うどん、だけじゃなかった。

この赤いベンチ、たぶん“ひと休みしていいよ”って言ってる。

🍜 【根っこ】冷たい肉ぶっかけうどんを実食レビュー｜甘めの出汁と無料トッピングが魅力

注文したのは、「冷たい肉ぶっかけうどん」。
甘辛く炊いた牛肉に、おろし大根。
そこに、無料で置かれていた天かすとねぎを、自分でたっぷりトッピング。
こういう“セルフ盛り”の文化があるのも、香川のうどん屋の楽しいところだ。

麺はつるつる、もちもち。
出汁はほんのり甘めで、やさしく包み込んでくれる味わい。
冷たさがキリッと締まっていて、暑い日にもぴったり。

「これは、間違いないな…」と、ひと口ごとに満足がこみ上げてくる。
だけど、ふと気づく。
これ、前も食べたやつだ──いや、前も「これしか」食べてなかった。

🍢 おでんの皿を見て、 déjà-vu

横に置いた小皿には、牛スジと玉子のおでん。
味がしみてて、ほどよくやわらかくて、ほっとする味。

──そうだ。
前回「さぬき麺業」に行ったときも、
冷たい肉ぶっかけ＋牛スジ＋玉子だった。

「また、それ？」
と、隣の席から聞こえてくる、妻の小さなため息。

そう、ぼくは「いつものセット」から抜け出せない人間だ。
彼女は笑いながら、ちょっと呆れた顔をしていた。
でも内心、「またかぁ…」と思ってるのが、よく伝わってくる。

また同じのを選んでしまった。でも、巻き寿司だけは、ちょっとちがった。

🍣 うどん屋の定番サイドメニュー「巻き寿司」を初体験｜いつもと少しだけ違う選択

でも、今日ひとつだけ違うことがあった。

いつもなら、おでんと一緒に並んでいるおにぎりを手に取るところ、
なぜか今日は、巻き寿司を選んでいた。

中には、玉子焼き、かんぴょう、きゅうり。
どれも派手じゃないけど、ひと口で口の中が“おだやか”になるようなやさしい味。

「今日は巻き寿司なんだ？」と、妻が少し驚いた顔をした。

その声が、なんだかうれしかった。
いつも同じものばかり頼んでしまうぼくだけど、
ほんの少しだけ、“知らない自分”にも手を伸ばせたような気がした。

🔁 「いつも同じメニューを頼んでしまう」現象はうどん屋だけじゃなかった話｜マクドでも、ミスドでも

これは、うどん屋だけじゃない。

マクドナルドでは、「ダブルチーズバーガーのLLセット」。

ミスタードーナツでは、「ハニーディップ」と「シュガーレイズド」。

毎回、「今日は違うのを頼んでみよう」と思うのに、
注文するのは結局、いつもと同じ“あの味”。

失敗したくないとか、冒険する勇気が出ないとか、
そういうことじゃないと思う。
きっと、“あの味に会えば、今日も安心できる”って、身体が知っているんだ。

☕ いつもの味を選び続ける理由｜安心感と日常を支える“味の記憶”

変わらない選択をすることって、ちょっと物足りないようでいて、
実はすごく優しいことなんじゃないか。

同じ味、同じ組み合わせ、同じ帰り道。
それはきっと、“変わらない日常”を自分で作る、ささやかな魔法。

ただし、いつか妻にこう言われる日が来そうだ。

「その魔法、そろそろ解いてもらっていいですか？」

🍣 「いつも同じを選んでしまう日も、 ほんの少し違うを選んだ日も、 どちらも、ちゃんと“自分らしい日”だった。」

ぼくは今日も、「冷たい肉ぶっかけ」と「牛スジと玉子」で満たされた。
だけど、巻き寿司を選んだ小さな一歩は、
たしかに“いつも”の中に、ちいさく変化してた。

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【合同会社桔梗企画：代表】 家族の中心にいるのは、アビシニアンの“アビ蔵”。 そのアビ蔵の『たそがれタイム』に、そっと寄り添う妻。 そして、ぼく。三人暮らし、みたいなものです。 今日もなんとなく、いい日を過ごしています。 書いているのは、猫のことだったり、 ちょっといい物のことだったり、 気がつけばおいしいものの話だったり。 なんの役にも立たない日もあります。 でも、「なんか、好きだな」って思えることを、 すこしずつ集めて、生きてるような気がしています。 最近、「nufufu.com」のドメインを取得しました。 以前までの「ぬふふ.com」の人とは別人です。

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